伝え人の物語

083

仮谷紘義(かりたに  ひろよし)

黒石原産、加工

工芸名
熊野市 那智の黒石
地域
東紀州
  • インテリア雑貨
  • アクセサリー
  • 文具
  • その他

「黒石で、もっと身近な生活用品を!」

Q:那智黒石の歴史について

A:那智黒石は、日本の中でも、ここ熊野市の神川町でしか産出されない特殊な鉱石である。那智黒石は和漢硯譜(寛政七年刊行)には、「緇石(しせき)」の名で出ているが、その歴史は古く、熊野地方の特産品として、平安時代に始まる長い歴史を有し、別名 神渓石(しんけいせき)、烏翠石(うすいせき)などと呼ばれ重宝がられてきました。

那智黒石が製品として出荷されたのは、碁石原料で、平安初期に遣唐使が中国へ土産物の中に玉碁子という記載が古い文書にある。これが多分、記録上那智黒石が商品として世に出た最初のものであろうと言われている

Q:仮谷梅菅堂での仕事と技術

A:2年に一度、県の許可をとって貴重な石を砕石している。

山から切り出した原石を、長年の経験と技術で必要な厚みの板状に割った後、直径約二・五センチの大きさにドリル機を使って切り抜き、しっかり磨いて碁石の製品にしています。碁石の白石は、以前は日本産のハマグリで作っていたけれど、肉厚の貝が減ってしまい、今ではメキシコのハマグリを使用している。黒石は石の目があるので、細かい加工は彫ると言うより、擦るように加工するなど、石の特性にあった加工が必要である。石の質を見極め

商品にあった材料を提供することも大切にしています。

Q:伝統を引き継ぐ事について

A:私の場合は、生まれた時から家が黒石の商いをしていたので、いつかは継ぐのだろうなという感覚で、特に強い思いは無かったです。家業を継ぐ前に、一度外の世界を経験させてもらい、その後自然に今の仕事をやっています。

Q:黒石で、もっと身近な生活用品を!

A:硬度の高い黒石を加工するため、研磨するエアー工具の開発をしたり、端材を砕いて樹脂成型にして、自由な形が再現出来るように工夫したりしています。樹脂成形だと加工工場の場所を選ばず、加工可能な会社も多いので、当店では材料の加工をメインにしています。

黒石は、碁石・硯を中心にやってきましたが、今後はもっと身近な生活用品を開発したいと考えています。

今までに、試金石として使われたり、エステでマッサージ用に使われたりしていますが、アクセサリー、キーホルダーなど小さいものでも加工可能であるので、素材の特性をもっと調べて其れを生かすような、時代に会った生活雑貨をめざしています。

Q:フランスのフレグランスブランドが黒石を使っています。

A:今現在はフランスのフレグランスブランド「ESTEBAN/エステバン」で、フレグランスオイルのギャレセラミックのアクセントとして使って頂いています。あとは、中国の方が囲碁や硯をお買い求めになることもありました。今、海外に対して今後の具体的なアイデアはありませんが、何か機会があったらチャレンジしてみたいと思っています。

伝統工芸品

098_s
黒石の飾り石
105_s74
黒石の硯と筆置
101_s74
那智の黒石碁石
店名
東紀州まちかど博物館 那智黒石工房 仮谷梅管堂
事業内容
黒石原産、那智黒石を使った加工 、 まちかど博物館:黒石の加工体験(1500円~)
代表者
仮谷 紘義
所在地
〒519-4442熊野市神川町神上804-1
電話
0597-82-0015
FAX
0597-82-0514
営業時間
9:00~17:00
定休日
毎日開館 土曜・日曜・祝日は要予約
URL
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/da/detail?kan_id=835355
アクセス
三交バス神上下車徒歩2分